| 病気でも痛みでも、体が悪くなったとします。それがなかなか自然に治らないとして、その要因は大きく2つ考えられます。1つはそれまで健康だった体が悪くなったということを、「何かが変わった」と考えるものです。ケガでも周囲環境でも、何か「きっかけ」があって、そこで体(意識から体に影響という場合も)に大きな変化が起こります。この変化が一時的なもので消えていくか、順応できれば問題はないのですが、その変化を体がうまく受け入れることができない場合、体の問題は「なかなか治らない」となります。直接的に身体的に無理をしたとか、ケガをしたとか、内臓を痛めたなどの問題です。
こうした身体的に直接の要因がない場合は、環境や人間関係などでの大きな変化が身体的に強く影響している可能性があります。それまでが健康であったとして、それがこのような変化によって体が変化し、それをうまく消化・順応ができないということです。こうした場合はその「きっかけ」を思い出したり意識したりすることだけでも、体が変わることもあります。「きっかけ」の前の健康な状態と、いまの不調の状態を比較することで、何が「変化」であったのかが明確になれば、対処方法も出てくるわけです。もちろん外からの治療などで体の回復力が増せば、滞っていた自然治癒力が機能し、順応に繋がっていくこともあります。
もう1つは、それまでの生活そのものに問題があって、そこで蓄積してきたものがある時に噴き出したという場合です。こちらは「蓄積」が原因であるのに症状自体は急に起こるものなので、本人の中になかなか「日常の生活の中に問題がある」と捉えることができません。しかし、そう捉えない限りは問題は現在進行形として蓄積し続けることになるので、なかなか治りません。これは上記と同様に、ちょっとした体の使い方や昔のケガの影響であったり、意識の側の問題が体に影響している可能性があります。
ここでは体の側の問題に話を限定しますが、誰しも成長過程で「体の使い方」を覚えるのは、人に教わるのではなく自分で感覚的に行うものです。そこでもし誤りがあっても、本人にとってはそれが「慣れ」として使いやすい形なのですから、それを間違いであると認識することはできません。そうした動きを正すのに多くの体操や健康法が適しますが、難しい動作を行いながらでは長年のクセはなかなか変わりません。一つの方法として「ただ歩く」ということを長時間行うと、最初は個人のクセが強く出た誤った動きであったとしても、時間が経つにつれて徐々に効率のよい自然な正しい動きへと変化していきます。
|