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まず最初に、野生動物は疫病を除けば滅多に病気で死ぬことはありません。 不調になれば自分で体を休め、早期の回復を図るからです。自分の体の状態に敏感であれば、不調を感じた初期の段階で安静に休むことで悪化しないうちに対処ができます。しかし人間のようにあれこれと忙しい生活では、日常的に自分の体を意識している余裕がないので、体からは「不調」のサインが出ていてもそれを見逃してしまいがちです。いつも「調子が悪い」と言っている人はまめに体を休めているので大病せず、逆に病気知らずの元気な人こそ神経の興奮で鈍感になっているので「あんな元気だった人が…」となったりするのです。
体は神経の高ぶりによって、疲れている状態も「元気だ」と感じてしまいます。運動会の興奮状態では疲れを感じないように、忙しい環境で何か集中していると、その間は疲れや痛みを感じにくくなります。またそうした環境に慣れてしまうと日常に戻ってもそうした状態のまま生活してしまうのです。そうなると常に興奮しているようなものなので、誰よりも疲れやすい生活をしているにも関わらず、その疲れを感じなくなってしまうのです。こういう人に限って、長期間の休みや長時間の睡眠で神経が休まると「調子が悪い」と感じて、休むことを嫌ったりするのです。
これは仕事をしている方に限らず、学生の方でも家庭の主婦の方でも起こるものです。問題は目に見えるような忙しさより、「気が休まらない」といった内面的・感覚的な忙しさなので、誰にでも起こり得るのです。こうした日常的な興奮状態は「自律神経」の異常として内臓の諸機能に大きく影響を及ぼします。自律神経とは昼間に体を活性化させる「交感神経」と、夜に体を回復させる「副交感神経」のバランスのことですが、これが交感神経の側に偏りすぎてしまい、副交感神経による回復が著しく不足してしまう状態です。多くの病気とはこれを発端とした回復力・免疫力の低下から起こるものです。
どんな病気になるにしても、それは人それぞれの「弱い場所」から壊れていった結果なので、問題は「○○病」それ自体ではなく、それに至った日々の回復力・免疫力の低下です。回復するには、それまで体に積もり積もった潜在的な疲れを、質のよい睡眠を多く取ることで解消していくしかありません。そもそも人間の体は睡眠以外では根本的に回復しないものです(薬や食べ物で元気になるのは一時的な活性化であって回復ではない)。普段に睡眠が十分でない人が長時間の睡眠で具合が悪くなるのは潜在的な疲れを実感するからで、そうして疲れを表面化させるところから本当の回復は始まるのです。
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