「肝臓から」


男性の患者さんです。視診、問診しても、どこからアプローチしてよいのかわからなかった方です。お腹のはりもつよく、両足捻挫、頸部はもちろん、上部胸椎から頭部にかけての歪みのベクトルが強いて細かくあって触りたくありません。右上半身の緊張のロックがきつすぎて身体は右から倒れそうな立位でした。
代謝が悪いこともあり、まずは代謝改善という事で、単純に肝臓・横隔膜のアプローチからおこないました。最初は動く気配はありませんでしたが、かるく押圧してじっと待機してると、「右手が温かくなってきました」とこたえてくれました。時間の半分は肝臓からのアプローチで全身の流れを変えることに専念・・・といっても触ったのはほとんど肝臓と横隔膜でした。
一週間後の来院であんなに強かった右上半身のロックが解除されてたのと、前面が自然な感じで緩みができ、うまく伸展できた状態になってました。足の力はまだないものの、まだ状態的に改善までの道のりは長いのですが、施術の一段階でここまで上半身が変化しておちついてきてたのには安心しました。

今まで、腹部のアプローチはしても内蔵をここまで意識して施術をしたことがなかったので、これをきっかけにこの一週間は肝臓からの
アプローチをメインに患者さんの施術を行ないました。以前は手指の末端から横隔膜までの連携をとってその流れにあわせて回り付近から、内臓にいたるまでの緩和を図ってました。 いろんな事にきがつきました。特に女性の場合、肝臓を先に機能回復させると、貧血をおこすかたがざらでした。また、一回血の気がひくのかだんだん寒気がしてくる・・・とおっしゃる方もおおかったです。ゆくゆく考えてみると、前者の男性は良く睡眠を心がけてて、体力もあった方でした。女性の場合、自律神経のバランスが著しい方が多いので、いきなり血液をめぐらせるポイントを攻撃するのはマズかったかな・;・・と思いました。・・・・が肝臓からのアプローチして全身に血液がめぐるまでの速度が女性の場合は遅いんだなということにも気がつきました。(もちろん男性の方にもいらっしゃいます。)

体幹の中心置にあり、内臓の中で一番大きく、唯一の再生機能の役割をもってる「肝臓」です。半分に以上切り取っても、やもりの尻尾のように元気に復活します。こんなたくましいと思う肝臓に最近惚れています。しかし、内臓、肝臓に関してあまり把握してないことか実際あります。位置的な問題もそうですが、内蔵自身の固有の独自の動き、内臓同士の共同的連携プレー、独自に固有に動いてる肝臓自体、もう少しさぐっていかなければいけません。肝臓だけ、胃だけ、腸だけ、肺だけ・・とやってしまうと、あとからくる反応に大きく関与してきます。
自律神経が大きく関わっている内臓同士がうまくバランスをとりあって安定させる必要もあります。肝臓ならばその内の血液、リンパ、胆汁などの流動性も考えていきます。どのようにしてイメージを強く心掛けていき、手から伝わる感覚と共に流れをみていく重要性がこれからの課題となっていきました。肝臓からのアプローチにより、肩の痛みが消えた方もいらっしゃいました。しかし自分の中でそれが想定していたとは思えないし、何故肝臓のアプローチで肩の痛みがとれたか・・・など曖昧的な発想もただ循環がよくなっただけでは違和感があります。

 週の後半は腹部からの調整からはじめ、そこから肝臓にアプローチして、その後背中の際をとる施術がおおかったです。
そうすると、横隔膜付近の硬さや、捻れ固まっていた部位が緩和されて上背部の残った違和感がわかるようになります。みつけてそこを解除すると、上半身が随分と軽くなってるとの反応が多かったです。しかし要領はまだ悪い。何をもって肝臓からアプローチするか・・肝臓からの機能回復によりそこから何の変化がうまれてくるか・・・肝臓のアプローチにたいする負担など、把握して患者さんにある程度つたえなければいけません。患者さんひとりひとり反応はちがいます、触れていくたびに色々肝臓にたいする課題がさらに増えてきました。
例えば、単純に「お酒」=「肝臓」ではありません。アルコールも胃で温め小腸で吸収しそこから肝臓へ分解がはじまります。胃がうまく機能せずにあたためる力がないと小腸にも吸収できず肝臓までの道のりも容易ではなくなっていきます。
先ほど述べた内蔵の連携プレーも理解しながらさぐっていきたいと思います。まずは当分肝臓にはまってみようと思いました。