2月12日提出分 『耳』


 普段は何ともないのに起き上がる時だけ眩暈がおこるという方がいらっしゃいました。内臓の状態を診ると、緊張している方に多くみられる反応が出ていました。ご本人に確認してみると、昔から緊張しやすく症状が出始めた時期には特にストレスが多く掛かる出来事があったとのこと。それまでは、眩暈は起こったことがなかったそうで、心配になってのご来院でした。
緊張が抜けない状態が長く続いたために内臓の疲労がみられ、足の安定も当然悪くなっていました。下半身を安定させ、内臓の機能回復をすること、そこから頸部と頭部の緊張を緩和させていく方向で施術を進めていくことにしました。

一回目の施術では腹部の緊張を落として、昂ぶった神経を鎮めること、また足部の余計な緊張を取ることを行いました。循環が悪くなっていた腹部に血液が流れる感覚を実感していただき、これまで体が冷えていたことを自覚していただきました。
二回目で、肺・心臓・上肢を中心に浅くなってしまった呼吸の改善をしました。呼吸が浅いということをあまり自覚されていなかったようで、『息が吸える』とおっしゃっていました。この時点で眩暈は出なくなりました。その時に、『実は他にもずっと気になっていた症状がある』のだと伺いました。耳の中でガサゴソという音がして消えず、自分の声が内側で響いた感じが続いているとのこと。以前耳管開放症だと診断されたそうです。
症状を聞いて思い出したのですが、私自身も過去に同じ症状が続いた時期がありました。まだこの仕事に就く前だったため、それ程気にしてなかったので気付いた時には治っていました。しかし思い返してみると、症状が続いた時期はストレスを多く感じていた時期と重なります。当時は顎と後頭部の緊張から首が動かせず、背中と腰の痛みは日常的に感じていました。自分の体が捻れているのを初めて自覚したのもこの時期です。
そのため、三回目は頭部を中心に、体の捻れをなくす事も頭に置きながら施術していきました。三回目にお見えになった時には、最近夜眠れるようになったのだとおっしゃっていました。施術後は『詰まっていた鼻が通るようになった』『ガサゴソという音は消え、何ともなくなった』とのこと。日常的に緊張しやすい方なので、様子を見て連絡を下さいということで一旦終わりにしました。
 
これまでに診させていただいた患者さんで、耳の症状がある方に共通していることがあります。緊張しやすいこと、神経が細やか(敏感)なこと、頭の中がいつも忙しいこと、責任感が強いこと、強いストレスを感じている(もしくは感じたことが忘れられない)ことなどです。全体的に、心(頭)がいつもストレスに曝されているため、体の機能は動くことよりも守ること(閉じること)にのみ働くようになってしまっているように思います。
 耳は目や口とは違い、意志の力で閉じたり開いたりすることが出来ません。そのため耳だけで症状が起こっていることは少なく、自律神経の乱れにより、気圧の調整が上手くいかずに起こっていることもあるのだと思います。顔や頭が物理的に歪んでいる場合にも耳に圧迫感が起こるために症状が出ます。
 
 耳が聞こえにくいという症状は男性に比べ女性に多い気がします。また、目の症状は女性より男性の方が多いように思います。これまで色々な方を診させていただいて感じたのは、緊張するという状態一つをとっても、男性の緊張の仕方(パターン)と女性のそれとは違うということです。筋力の差もあるのでしょうが、症状として現れる場所とセットになって緊張しているところが違います。
 これは大和でいう、女性は内臓(子宮)の不調の影響を大きく受けることとも関係していると思います。まだそれぞれのパターンを把握しきれていないので、症状に合わせて診ていけるようになりたいです。