治療レポート   12月18日

 

 最近はまた内臓に戻ってやるようにしています。
 これまでは上がった(張った)横隔膜を下げることばかりを意識して体を診てきたけれど、スタートは逆なのではないかと思うようになってきました。
横隔膜が下垂する(力が弱くなる)ことで、内臓(胃・肝臓・腎臓・小腸など)も下垂し、腹部にガスが溜まり張ってくる。そのことが原因で胸腔内臓器を圧迫するようになっているのではないでしょうか…
とりあえず間違っていてもいいので、そういう目で診てやってみようと思ったのです。
 同じ診方ばかりしていても、結局何も変わらないので、別の視点を持って考えてみようと思いました。

 そうなると、問題は力を失って弱くなってしまった横隔膜の力の回復です。呼吸運動にも大きく関与しているので、横隔膜の力が失われると全体のバランス、連携が崩れてしまいます。
 さて、どうするか…弱ってしまった横隔膜の力を戻すには横隔膜にかかる負荷を減らすことです。
やることは下肢からの施術で下半身の安定を図ること、内臓の機能回復、上肢の横軸の関与を無くすこと、頭の緊張と頸の緊張を取ること…など、正しい姿勢を作るという点では今までと変わらないことをやるのですが、目的が『横隔膜の機能回復』なので、これまでとは少しずつやり方が違ってくると思います。

 胸郭は胸骨・肋骨・胸椎で成り立っていますが、腹腔は骨盤という支えはあるものの腰椎だけで、腹側は筋肉しかありません。私自身もヨガをして普段はほとんど使わない外腹斜筋を鍛えることで腰痛が軽減してきていました。内臓を影で(?)支えている(持ち上げている)筋肉だからなのだと思います。現にこの動きをしばらくやっていなかったら内臓が下垂してきて、腹部が張り、腰の痛みが戻ってきました。女性は特に影響が出やすいですが、最近では男性も長時間のデスクワークや車の運転などで、腹部の筋力の低下が目立つので、症状的には性別の差はほとんどなくなっていると感じています。
 施術とは別に家でのトレーニング(?)としては、お勧め出来るかと思います。

話は変わりますが、横隔膜のことを調べていた時に横隔膜ヘルニアの記事が目に止まりました。『横隔膜ヘルニアとは横隔膜に穴や弱まっている部分がある状態で、これにより腹部の器官の一部が胸部の中に突き出します。横隔膜ヘルニアは90%が体の左側に起こります。胃・腸管そして肝臓や膵臓までがヘルニアの部分から突き出ることがあります。ヘルニアが大きい場合は、ヘルニアのある側の肺の成長が通常は不完全になります。横隔膜ヘルニアのある子供の多くは心臓の異常を伴います。』
この記事を見て、真っ先に頭に思い浮かんだ患者さんがいます。Aくんです。そろそろ高校も卒業すると言っていたけれど、肺の発育状態、内臓の位置や状態などが成人のそれとは違うとずっと思っていました。精神的なものもかなり体に影響している方ですが、体だけで診てもそう思います。
 症状がいつも胃腸に表れていましたが、私では十分な結果が出せず、今は兄さんに診ていただいています。現在の私では無理でしたが、同じような症状の方を今後診る機会があった時には対応出来るようになっていたいです。

 『施術に起承転結のようなまとまりをもたす』ことも頭に置きながら、『横隔膜の機能回復』について、試行錯誤しながらやっていきたいと思います。