治療レポート 12/18  

 


● 最近の施術の傾向
 
最近では特に意識して腕の施術をしています。なぜかというと、先月辺りからずっと体幹をメインに縦軸の安定を考えてやってきたのですが、どうも術後の変化が上手く行かない時があって、自分なりに観察してみると、そういう時は腕や肘、手などの体幹に対して横軸となる部位の不要な干渉があり、そのせいで身体が伸展方向に行くのを阻害しているパターンが多いという印象をうけました。多くの場合、歪みのパターンや捻れの方向などは個人によって様々で、以前に腕の施術を受けた事がある人も多くいました。そういう人は、今の縦軸に腕をあわせ直していくという説明をして、腕をもう一度やる許可を取りました。

 そういった意味でも、今までの施術の精度では足りないと思い、まずはどこまで緩むかやってみようと思いました。
特に前腕は対戦相手としては申し分ない相手で、今まではここまでは緩んでも大丈夫という範囲をぶち破った事が無く、完敗し続けていました。ある意味天敵ともいえる相手です。
例えば、以前のレベルでも、その人の変わりたい範囲の中では、その施術がぴったりで喜ばれるし、よく変化して、予後も予測がしやすいのかもしれないですが、それは僕の理想とする干渉ではないのです。そこでの変化はあまりに表面的で、可逆性のある変化です、つまり、痛みをその場でとることはできても、本人がまた痛くなったほうが都合良くなれば、痛みはぶり返します。その場合一番振り回されるのは関節構造で、弛緩と緊張が過度に繰り返されると、関節の消耗は顕著になり、その関節自体を破壊してしまうことにもなりかねないのです。
今回はトコトン緩ますというのに、腱と靭帯を強く意識しました。まず強めの負荷を全体にかけていき段々局所に絞っていきます。ある程度全体の緊張が下がってくると、腱の部分が触りやすくなってきます。そこで一気に腱の緊張方向と垂直にずらしていきます、患者さんは痛がりますが、腱の束がほぐれていくのが感じられるまでやります。
それでも足りない時は、また違う方向にずらしていって、抵抗できない所にあわせていって緊張ができないようにしたり、ポイントを局所にしぼって更に深部から引っ掛けて動かしたりしました。
腱は押圧による緊張の解除よりも、その方向をずらしたりしていく、位置的なリリースの方が効果的だと思います。
そして、ある段階まで行くと、患者にグーパーをしてもらい、力が入りづらいのを認識させていきます。意識の支配が強ければ強いほど、手に出した命令が緩んでいるので伝わらないというのをしっかり感じてもらうようにして、わざと身体に脳の命令を無視させていきます。何人かで試してみると、やはりこの事が一気に副交感神経に切り替わるきっかけになるとわかりました。それと痛みがあって、それにグッと耐えるのも良いようです。恐らくは痛みに抵抗するときにどっと交感神経が高まりその落下のタイミングでそのまま副交感神経が優位になっていくのだと思いました。

 今回の施術で、他の療法に比べて大和の一番の特異な部分は、やはり腱、靭帯へのアプローチができること、そこに届く手があることなのだと思います。立つことの理想は重力と、身体の関節、腱や靭帯などの構造が拮抗して、そこにバランサー機能としての体内の液体があって、それだけで十分だという事。余計なものが無いという事。
過去の施術は筋肉を動かして、靭帯や腱に自然に緩みが出てくるような、相手任せの施術だったように思います。それが上記の結果を招いた原因だとも思います。今回はっきり順番が逆な事に気づきました。まずは腱と靭帯を動かして体を根本から変えることにこだわって行きたいと思います。