施術レポート


07/10/10


ショパール関節A

 



 

  前回、加重の力が距骨を介して後方の踵骨側と前内方の距舟関節側、そして前外方の距踵関節→距立方関節へと伝わって行き、その内の前内方、前外方がショパール関節にかかる力となると記述しました。今回はその二軸の動きと、足の回内、回外時の軸の変化とその影響について書きたいと思います。

 まず、前内方の距舟関節の軸は、距骨の中心から距骨の丸い頭部を通り、舟状骨の中心を通り、外側楔状骨と中間楔状骨のほぼ中間を通り拇趾の内側遠位端を触れていきます。舟状骨の凹と距骨の頭部の関節面は、前足部の回内、回外の際にこの軸を中心に回旋する事ができます。また、足の内がえし、外がえし(足を完全背屈させて、距骨を中心に回内、回外)の時には、滑動をして横軸の動きなども作り出します。さらに、この軸を側方から観察するとちょうど、脛骨の内果の中心から趾骨部の、基節骨近位端とあたりまで斜め下方に線を引くことができます。つまりこの軸の線が内側のアーチにおける天井のラインになっていることがわかります。
 次に前外方の踵立法関節の軸は、距骨の中心から立方骨を通り小趾骨の内側遠位端へと伸びていきます。距立方関節は動きの可動域が限られているので、わずかに前足部の外転と内転を許す程度です。また、足の回内、回外を行った時に、この2本の軸は安定と不安定の構造を示します。回内足では、距立方関節にある程度の動きがおこりその軸は内方に移動します。つまり踵舟関節の軸と平行に近づいていくので、上記の距骨を含む後方、前外方、前内方の三方向によって支えられていた構造的な安定が距骨→踵骨、距骨→前内方という二方向になってしまい加重を支える構造として不安定な状態になってしまいます。反対に回外足では、前内方側である踵舟関節の軸は移動が少なく(回外は脛骨、腓骨の関係上回内よりも角度が小さい)そして、前外方の距立方関節は可動域が少ないため、関節間がしまる形になり、そこに付随する距立方靭帯の緊張が高まり、骨と靭帯がつよく結合した状態になるので安定性が増します。

 実際の臨床では回内足を触ることが多いです。なぜなら、臨床では不調を訴える人を触るためで、そういう人達の足は構造的に安定していることが少ないからです。回内足の原因の一つとして踵骨の構造とそれを支持する回りの軟部組織の異常についてあげることができると思います。先の加重を支える構造において踵骨は距骨によって後方に分散された加重を受ける役割をもっています。しかし、踵骨は構造的に水平な地面に対して斜めであり、接地時に後方で回旋し外がえしの状態になる力がかかります。縦アーチのアライメントが正常でないと、踵骨は外がえしの状態になり、その上にある距骨は前内方側にすべるような形になり、足根より前部の構造が距骨と逆に内がえしの構造になってしまうのです。それにより踵骨はその外がえし運動により内側の側副靭帯にストレスを与えます。さらに底側踵舟靭帯によって舟状骨を引っ張り巻き込んで押し下げます。その結果として縦のアーチは減少するようになりアーチの底部である足底筋膜に過伸展のストレスを与えることになり、足底筋膜炎を引き起こしたり、底側踵舟靭帯に圧痛を感じるようになります。
また縦アーチが減少すると、足の横アーチもつぶれて広がるようになり、特に中足骨のあたりで扇形のようになります。これが長期化すると偏平足になります。そして、踵骨の外がえしによりアキレス腱の短縮が起こるので、下肢全体の運動機能低下を引き起こすことになります。
 一つの関節も見方が変わるといろいろな事がわかります。見方が違うと同じ部位も新鮮に触ることができます。こうやって少しずつ深さとこだわりをまして行くのかと思いました。