2.頭をやすめる

 

 睡眠による疲労回復には、その「質」が重要になります。眠りが浅いというのは、日常的な心身ともに緊張状態(無意識です)にある人が、その状態を睡眠にまで持ち越しているという状態です。緊張を持続したまま睡眠に入ってしまうと、回復に適する「緩んだ状態」になるまで多くの時間を要します。つまり睡眠時間と回復の時間は同じではないのです。

 

 この「緊張」とは、体よりは頭(脳)の側が大きな問題となります。よく「布団に入ってもあれこれ考えてしまう」など、「頭は休まらない状態」です。脳が活発だと、体もそれに反応して緊張してしまうのです。寝る前にリラックスして頭が「ボー」っとしていれば、脳が休むに従って体の力も抜けていきます。体の力が抜けても、頭は緊張したまま…というのはよくあることで、緊張のない状態で効率のよい睡眠に入るには、頭をリラックスさせることが重要です。

 

 日頃なかなか寝付けないとか、眠りが浅いとかという人は、総じて脳が活発過ぎて神経も昂っているのです。それを効率のよい睡眠に変える一番簡単な方法は、とにかくたくさん寝ることです。体は睡眠に入ると、時間が経つにつれてリラックスの状態に入ります。これが長ければ長いほどいいわけです。時間のある時に昼夜を問わず、二度寝、三度寝をしてみて下さい。こうした睡眠を何度か続けると、ある日に寝起きに体がすっかり回復したように軽く感じる時がきます(最初は寝れば寝るほど疲れを感じるようになります)。これは、それまで体の深部に蓄積してきた疲労の回復が終わったということです。体がこの状態に入ると、以後の睡眠は自然と効率のよいものになります。そして日常生活の中でも心身が自然にリラックスできている状態となります。