6.肩こり・腰痛の話

 

肩こり・腰痛は「治りにくい」ものの代名詞のように言われますが、肩こり・腰痛が治りにくいのはそれが「体が必要としている動き」だからです。体が自分の状態や姿勢を保つうえで必然的に行っていることなので、体の状態が変わり、その必然性がなくならない限りは肩こりも腰痛も消えません。肩こりや腰痛は体の異常の「結果」なので「原因」が消えない限りは治らないのです。

 

その原因には先にもあげた内臓の不調もあります。腸の機能が低下していれば周囲の筋肉は腸を守ろうと強く緊張するので、腰の動きは強張ります。これを無理に動かしてしまえば「腰痛」が起こります。呼吸がうまくできていない時なら背中や肩の筋肉は肺や横隔膜を守ろうと強く緊張します。この状態が持続すると「肩こり」が起こります(肩こりには胃の不調も大きく関与します)。

 

また肩こり・腰痛には体のバランスも大きく関係します。足がしっかりしている人では下半身が安定しているので全身の力を抜きやすいのですが、足が弱いと体が不安定になるため、体のどこかでバランスを補う動きが必要になります。このバランスを補う動きを担当するのが「腰」と「肩・首」です。つまり体が不安定だと腰や肩・首に力を入れてバランスを取らないと体を安定させることができないのです。

 

他にもいろんな要因はありますが、大抵の肩こり・腰痛は上記の2つを改善するだけで消失していくものです。体のいろんな症状というのは「内部の不調の結果」であり、体からの異常のサインです。体に不調を感じたら症状にばかり囚われず、内部の不調に目を向ける習慣をつけて下さい。