我々の師であった堀江氏によれば 850年の昔から語り継がれてきた日本独自の医術だそうです。一部の武家などで、一子相伝・口伝によって継承されてきたとのこと。その中身は東洋医学から伝わったものを 倭民族に適した形に発展させたとのことです。特徴としては 西洋医学や東洋医学のような病名・症状・体質といった「分類」を一切持たず 人は皆違うし 症状は刻一刻と変わるという「個の特異性」を優先した 個人を対象としている点です(身内を守ることを基本とした医術)。

 そのために診断には体の状態を色として把握する「色診」や 想いの状態を診る「想診」といった 曖昧で言葉にできないものとなります。これには治療が家内での個人対個人に限定されたものであり 言語化の必要がなかった背景もあります。痛みや病名に惑わされることなく 体が発するシグナルを読み取って 体が自分で治せるところまで手助けをするというのが 師の治療観でした。その手助けは まず養膳・薬膳を基本とした「自然に沿った治し方」であることを理想とします。